首都圏に住む私たちが、大震災から学ぶべきこと

くらしの土台を、考え直しましょう

4月9日にオープンした「境南中央公園」真ん中の原っぱが特徴ですが、現在は養生中です。西園寺みきこは、09年秋〜10年春に行なわれた「境南中央公園ワークショップ」に参加し、公園のあり方について意見を述べました。
4月9日にオープンした「境南中央公園」真ん中の原っぱが特徴ですが、現在は養生中です。西園寺みきこは、09年秋〜10年春に行なわれた「境南中央公園ワークショップ」に参加し、公園のあり方について意見を述べました。
 大震災から1ヶ月。政府で復興構想会議が発足しました。復興に向けた取り組みが本格的に始まります。
 私のふるさと福島県では、津波被害に加え、原子力災害+風評被害という何重もの苦しみが続いています。避難を余儀なくされた被災者は、ふるさとから遠く離され、復興の目標すら作れない状況です。
 大きな余震があるたびに、「また原発が暴走するのではないか?」と気が休まらない日々。
 私たちは、こんなにハラハラしてまでも、原子力による電気を使い続けなくてはならないのでしょうか? 
 私たちが求めているのは、そんな「危さの上に立つ生活」ではなく「安心できる生活」です。

 今回の大震災では、首都圏に住む私たちのくらしの土台、足元が揺るがされました。
***安心してを飲めるのか?
*****このまま電気を使っていていいのか?
*******エネルギーの使い方をどうするのか?
*********被災地をどのように支援していくのか?
今回の大きな悲しみと混乱の中から、私たちは何を学びとるべきでしょうか?

1.水
 一時は「飲めないの?」と危惧された武蔵野市の水ですが、現在は週3回の検査により飲んでよい、とされています。
 武蔵野市の水道水は、8割が地下水。「安心して飲み続けられる大切な水資源」です。
 今回の経験を通じ、地下水を涵養していくことの重要性をますます痛感しました。武蔵野・生活者ネットワークは、地下水を公共財産と位置づけ、市民参加で「地下水保全条例」を提案してまいります。

2.電気 
 「計画停電」には、本当に混乱させられました。自宅がどのグループに属するかわからない。計画停電から除外された理由も不透明で、憶測が飛び交いました。
 本当に計画停電が必要だったのか? 今後しっかりとした検証が必要です。
 一方、節電は一気に進みました。ある大手スーパーは、照明を50%減らしましたが、「もっと明るく」というクレームは皆無。むしろ「暗くして節電せよ」という電話がかかったそうです。
 「使いたいだけ使える」空気のような存在だった電気。その電気の3割が、遠く福島県から送られてきていたことを、今回多くの人が知りました。電気使い放題に支えられた首都圏の豊かな生活は、実は原子力発電という大変危うい脆い土台の上に立っていたのです。
 
 私は、節電・創電に取り組み、独占企業による一元的な電力事業の見直しを通じて、より安全で持続可能な電力供給体制に向けて提案を行なってまいります。

3.エネルギー
 東京・生活者ネットワークは、「自然エネルギーの活用」を政策の柱に掲げてきました。
 原子力への依存を減らし、太陽光・地熱・風力など地域内のエネルギー源を活用しながら、分散型の発電システムを作る。
 発電・送電・配電の3つの事業を分割し、消費者がエネルギー源を選べるしくみにする。
 首都圏で小規模の自家発電設備を持ちやすくする。(例えば、六本木ヒルズ森ビル地下には、自前のガスタービンが設置されており、東電に頼らず顧客に電気を安定供給できる)
 私は、自然エネルギーを活用し、消費者がエネルギー源を選べるしくみを提案してまいります。

4.被災地への支援
 福島県で放射能汚染による出荷停止が報道された翌日、レタス農家の方の自殺という辛いニュースがありました。長年手塩にかけてきた農産物を捨てる心痛を思うと、涙が止まりません。
 武蔵野・生活者ネットワークは「食べることは生きること」、農業者の方と持続的に関わり、顔の見える信頼関係を築きながら、食糧の自給率を高め、食の安全を確保する取り組みを進めてきました。
 東北地方は、首都圏の食糧の最大の供給地です。被災された農業者の方が、また美味しい食べ物を作ってくださるように、支えていきます。