視察の秋です!

2011年11月5日 00時26分 | カテゴリー: 活動報告

人と出会い、熱い思いに触れてきました

山形県長井市の市民ガイドの渡部嘉子さん、内山議員と。
山形県長井市の市民ガイドの渡部嘉子さん、内山議員と。
 議会では例年10月が視察旅行の時期です。10月24〜26日、厚生委員会7人の議員で山形県長井市・新潟県上越市・長岡市の3か所を訪問しました。この視察は6月ごろから準備を進めてきたもので、1か所めの長井市レインボープランは西園寺の希望が実現したものです。

1.山形県長井市のレインボープラン
 生ごみ堆肥化をごみ処理として捉えるのでなく、地産地消・自然と対話する農業など、まちづくりの柱と位置づけ、全市民を巻き込んだ取り組みを築き上げたのが長井市です。97年レインボープラン推進協議会設立。05年直売所に学習機能と交流機能を併設した「NPO市民市場虹の駅」設立。
 このプランの立役者と言えるのが、農業を営む菅野芳秀さん。「80年代の野菜と2000年以降の野菜を食品成分表で比較すると、ミネラル分が激減している」「毎年正月には神社ではなく、山に登って『山の神=土中の微生物』に感謝している」など、ふるさと・農業・土に対する思いを語ってくださいました。
 レインボープランから15年、地域がどのように変わったか?との質問に対し、「3万人の市なのにNPOが15もある。市民主導で取り組んだレインボープランの余波で市民力がついた」「44か国から視察があり、タイなどと連携ができ、市民にはなやいだ雰囲気をもたらした」と。
 視察のガイドは、元議会事務局職員だった渡部嘉子さん。退職後レインボープランのガイド役を引き受けて、市民と行政両方の立場を踏まえた興味深いお話を聞かせてくださいました。残念だったのは、議長が一言もレインボープランに触れなかったこと。市民主導の取り組みに対する受け止め方は、好意的なものばかりではないのかもしれません。市民の思いや努力が続いてこそ、のレインボープラン。施設の維持コスト、担い手の高齢化は、武蔵野市の市民活動にも共通の課題だと感じました。
 
2.新潟県上越市の風力発電
 98年地球環境都市宣言を受け、01〜03年にかけて4基の風力発電装置を設置した上越市。太陽光・雪氷冷熱・バイオマス・中小水力など、再生可能エネルギーに力を入れてきましたが、先進的だったがための悩みがあることがわかりました。ドイツ・デンマークの製品を導入したため、日本海側特有の冬場の落雷への備えがなかったのです。落雷で羽根が炎上落下する。部品の取り寄せに半年かかり稼働率が下がる。など性能を十分に発揮しきれなかったのが実情でした。
 新たな避雷装置をつけ稼働率を上げつつありますが、今年「再生可能エネルギー買取法」が成立したにもかかわらず、コスト面の心配は解消されない見通しとのことで、わが国の自然エネルギー促進の法整備がまだまだ不足であることを痛感しました。

3.新潟県長岡市の地域包括ケア
 来年は介護保険の3回目の見直しの年。現在国は「地域包括ケア」という概念を打ち出しています。これは武蔵野市が「地域リハビリテーション」と呼んできた概念と同じ。在宅でも施設入所者と変わらない365日24時間の途切れ目のないサービスを受けることができ、自宅で安心して住み続けられるしくみのことです。
 視察旅行の前に事前レクチャーを受けたことも功を奏し、「地域包括ケア」の理念=その人らしく、尊厳を保った暮らしをできるだけ可能にするしくみ、を学ぶことができました。
 お会いしたのは、長岡市高齢者総合ケアセンター総合施設長の小山剛さん。サポートセンター(バリアフリー住宅・特養・グループホーム・居場所・キッズルーム・訪問介護・訪問看護・配食のステーションなどの組み合わせ)が6か所あり、それぞれオーナーさんの考えや地域の特性により個性豊かな場所になっています。
 バーコーナーがあり、地域の人がお酒を持ち込んで楽しめる。特養の個室からベランダを通って自由に出入りできる設計。従来の老人施設、という先入観を軽々と飛び越え、長い人生を歩んできた高齢者の方の「心の自由」を大事にする理念を、見事に具現化されていました。
 武蔵野市でも、「住み慣れた地域で安心して暮らせる」しくみをどうやって築くか。市民の皆さんと一緒に考え行動していかなければなりません。

4.おまけ・・・長岡震災アーカイブセンターきおくみらい
 長岡駅近くにオープンしたばかりの「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」に立ち寄りました。04年10月23日に発生した中越地震では、がけ崩れや(旧)山古志村の全村避難などが思い起こされます。それから7年めの今年、開館したばかりとの情報を受け、厚生委員会の視察先には入っていませんでしたが、電車待ちのわずかな時間で立ち寄ったのです。
 驚いたのは、入場者一人ひとりにiPadが1台渡されたことです。フロアの床には被災地全体の航空写真が貼ってあり、ポイントごとの目印にiPadをかざすと、動画や関連記事が画面上に現れるしくみです。「被災前より元気です!」とのスローガンに素直にうなずける、新しいタイプのメモリアル施設でした。長岡においでの際は、ぜひ足を運んでみてください。

 「閉塞感」という言葉が頻繁に出てくる昨今ですが、今回お会いした方々は、そんな風潮と関係なく、地域に根ざした哲学をもとに、人と人をつなげ、人の喜ぶ顔を見て仕事をしておられるエネルギーにあふれる方たちでした。武蔵野でも、人のつながりをますます大事に活動を進めていきたい、との思いを強くしました。

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