身近な自然に目を向けてみましょう

〜オオミズアオと金環日食〜

オオミズアオの成虫
オオミズアオの成虫
 5月21日(月)朝、東京都内で金環日食が観察できる見込みです。6:19から欠け始め、7:34頃の5分間が最大です。晴れていれば、金環日食のリングを楽しむことができるでしょう。
 今回の金環日食は、1987年沖縄で見られて以来のものですが、人口密度の高い地帯で観察できるため、過去最大級の8,000万人以上が目にすることができるとのことです。ぜひ晴れてほしい!
 観察には専用メガネが必要です。粗悪品も出回っているので十分注意してください。通勤通学時間帯ですので、交通事故への注意も必要です。武蔵野市内の小中学校では、特に登校時間の変更などの対応は取っていませんが、いくつかの学校では「観察会」を企画しているとのことです。

 写真は、ヤママユガ科のガの一種「オオミズアオ」です。先週、西園寺の自宅マンションの外壁にいるのを、入居者さんが発見しました。薄緑色が美しく、学名にギリシャ神話の「Artemis」が使われている優雅なガですが、翅を広げると10㎝ほどもあるので、見つけた方はギョッとされたようです。
 オオミズアオは、幼虫のときリンゴやサクラの葉を食べますが、成虫になってからは口が退化し、食べたり飲んだりしない。また都会でもよく見られる昆虫だとのことです。(wikipediaによる)

 今年6月に、ブラジル・リオデジャネイロで「リオ+20」(国連持続可能な開発会議)が開催されます。1992年リオデジャネイロで開かれた「国連環境開発会議」で、「気候変動枠組条約」「生物多様性条約」に署名した170以上の国が、その後定期的に開いています。
 国際会議が定期的に開かれているとはいえ、地球上の生物が1日100種類のペースで絶滅している、という状況は改善されていません。

 私たちは身近な自然に目を向け、その変化に敏感に気が付く市民でありたいと思います。スズメやツバメ、モンシロチョウのようすをよく見てみましょう。

 3月20日に開催された「武蔵野市生物多様性シンポジウム」では、講師の香坂玲さん(名古屋市立大学大学院准教授)、金田正人さん(生物多様性JAPAN研究員)のお話を伺いました。
 生物多様性というととても高尚で難しいことのようだが、そうではない。ふだん生活している身近な場所で、
「あれ? 今年はウグイスの声が遅いようだな?」
「以前は毎年見かけていたツチガエルを最近みない」
「紅葉が早かった」
などの感覚が大切であり、そのような何気ない観察ができる市民を増やすことが大事である。とのことでした。

 オオミズアオはひっそりと外壁にとまっていました。「ワ〜、ガだ、気持ち悪い」と切り捨てるのでなく、「どんなガかな? なんていう名前かな? 何を食べているのかな?」と図鑑で調べてみる。そんな市民でありたいと思います。