市民集会 「生ごみ活かして元気野菜づくり!」

土の少ない武蔵野市でもこんなにみずみずしい野菜がつくれるんですね! ロビーには、生ごみ堆肥を使って武蔵野市内の菜園でつくった元気野菜が展示されました。

 2月15日(金) 「生ごみ活かして元気野菜づくり!」吉田俊道さん講演会に参加しました。主催は、クリーンむさしのを推進する会。協力は武蔵野市ごみ総合対策課。

 吉田俊道さんは、長崎県佐世保市を拠点とするNPO「大地といのちの会」理事長。武蔵野市では既に、クリーンセンター環境講座や吉祥寺南町コミセンでのお話し会など4~5回お招きしています。その熱のこもったお話に引き込まれないではいられない、沢山の方に聞いてほしい!と思わずにいられない、貴重な方です。この日も芸能劇場は満席、立ち見も出る盛会でした。

吉田俊道さんは、保育園の子どもたちに「菌ちゃん」の働きを伝えています。「菌ちゃんにえさをあげようね!」 生ごみを持ち寄って一緒に踏み潰し、土に返して野菜づくりを体験します。(吉田俊道さん著書より引用)

 吉田さんの訴えておられることは、

「土の中にいる微生物『菌ちゃん』こそが、いのちの元だ!」

「ニンジンの皮やハクサイの芯など、『生長点』にいのちが詰まっている! 捨てないで!」

「土壌学では、分析的研究で多種大量な微生物を取扱うことができず、化学的成分である窒素りん酸カリなどしか研究できなかった。マンガン亜鉛モリブデンなどの微量金属も扱えなかった。そのため、化成肥料一辺倒の栽培になり、土が痩せて固くなってしまった」

「痩せた土で採れる野菜は、栄養の薄いスカスカの野菜ばかり。それを食べる人間が健康でいることがむずかしくなるのは当たり前」

「元気になるには、元気な野菜を! 元気な野菜をつくるには、土を元気にして!」

「そのために、身近な生ごみをもっともっと活用しようよ!」

ということです。

 家庭科の副教材として使う「食品成分表」は、文科省資源調査会が公表している食品の栄養分に関する基本データです。(最新は五訂) ホウレンソウのCa分は、1954年(二訂)では98mg/100gだったのに、五訂では55mg/100gしかない。ほぼ半分です。他の野菜でも3分の1、4分の1になっている例ばかり。

 この50年、野菜づくりで何が変わったのか? 肥料の使い方、つまり土づくりが変わってしまっているのです。それが、栄養分の薄いスカスカな野菜ばかり流通している原因です。

 売れることを目的に見た目のよい野菜ばかりを作ってきたのではないか? 流通のためにサイズの揃った野菜ばかりに偏ってきたのではないか?

 西園寺みきこは、2月28日に予定されている議会一般質問で、「土の働きと物質循環を子どもたちに伝えるコンポストガーデンの取り組みについて」と題して、武蔵野市の生ごみ施策をただします。

 吉田さんの主張は、私たちがよしとしてきた野菜づくり土づくりに警鐘を鳴らすものです。都市型ライフスタイルの中で見失ってきた「人と土のかかわり」について見直していかなければなりません。

吉田さんの近著。東洋経済新聞社1,575円です。