市長選と議会内会派「むさしの未来」について

市民の方から「生活者ネットは、市長選で同じ会派に所属している深田貴美子さんを応援するのですか?」と質問をいただきました。

*邑上さんを応援します
 既にHPに書いたように、西園寺みきこと武蔵野・生活者ネットワークは、10月6日の武蔵野市長選で、現職の邑上守正さんを応援します。この件は、7月の武蔵野・生活者ネットワーク運営委員会で合意によるものです。8月22日の「市民が主役!元気な武蔵野市を育てる会主催のむらかみ守正さん市政報告会」にも出席。9月中旬には、レポートを発行する予定です。

*深田貴美子さんと武蔵野・生活者ネットワークの関係
 2011年の改選後、「むさしの未来」会派を組んで以来、共通する課題に取り組んできました。

 参考1:「むさしの未来会派結成趣意書」抜粋。全文は後述。活動内容は記事の最後に。

  ◎4つの目標

 ◆ だれもが安心して暮らし続けられる福祉と教育・文化のまちづくりに努めます。
 ◆ 真の市民参加・協働と産業振興のまちづくりを実現します。
 ◆ 私たちは、市民と共に創る開かれた議会改革に努めます。
 ◆ 持続可能な都市再生と、環境に配慮したインフラの再整備を実現します。

 深田さんの考える女性・子ども施策は、生活者ネットの施策と共通する部分があります。女性が堂々と前に出ていく姿勢に共感できましたし、政策形成サイクルを意識した議員活動は、新人議員の西園寺が学ぶ点が多々ありました。

*市長選で、深田さんでなく邑上さんを応援する理由
 第1に「平和への強い思い」です。平和の日条例制定にみられるように、邑上さんの姿勢の根本に「平和」があることは、他の候補者には見られない最重要ポイントです。
 第2に「原子力に依存しない社会に対するきっぱりした態度」です。「エネルギー政策は国政課題であり、基礎自治体が取り組むべきではない」と公言する政治家も多いですが、生活者ネットワークは「住民の健康と安全を守る基礎自治体こそが、原子力という人間のコントロールできないものに対して、NOと意思表示することから社会を作り替える」べきと考えます。これもほかの候補者にはない点です。
 第3に「市民を分断しない、公平公正な態度」です。強いリーダーにすり寄ることで課題解決をはかる市民でなく、公の場で発言し、手順を踏むことで、解決する方法が浸透しつつあることは、邑上市政の8年間の成果だと思います。

*議会内会派は、古いしきたりのようなもの
  議会内会派のあり方は、制度上決まっているものではなく、各自治体議会の歴史の中で「慣例」として定まっている「しきたり」のようなものです。当然、長い歴史を持つ政党(55年体制)の考え方が基本となって「慣例」ができてきたものであり、時代の変化に合わせて見直すべきです。
 生活者ネットワーク自身、約30年前、既存政党では解決できない生活者の声を届けたい、との思いで立ち上がったいわば「後発の」地域政党です。

*会派は、選挙をともに戦うツールか?
 歴史ある政党は、選挙を戦うことで価値観を共有するのが当然。ですが、2011年にできた「むさしの未来」は、無所属議員と地域政党である生活者ネットワークの寄せ集め。結成当初から「選挙は別」と約束しました。「むさしの未来」は結成時から、選挙を戦うツールではないのです。

*会派は、自然消滅へ
 「むさしの未来」は、深田貴美子さんが議員辞職届を提出、あるいは市長選立候補届提出(=市議会議員の自動失職)と同時に所属議員が西園寺1人となり、1人会派が認められていない武蔵野市議会では、自然消滅となります。
 2011年の会派結成時、メンバーの1人が市長選に立候補することは想定していませんでした。小美濃安弘議員と前田秀樹議員は、すでに7月下旬に会派を離脱して「むさしの無所属クラブ」を作っています。深田貴美子さんの市長選立候補により、既成概念にとらわれない議員活動を目指した「むさしの未来」が2年4か月で消滅することを残念に思っています。

*反省すべき点
 市民の方から上記のような質問を受けるのは、HPを通じての態度表明が遅れたのが一因であることは、私たちの発信力の貧しさとして、反省しています。丁寧な説明と、的確な発信をさらに心がけていきます。

参考2 現在の会派の状況
 現在、武蔵野市議会(定員26名)には2~4名からなる8つの会派と1人の議員がいます。
「自由民主クラブ4人」「民主党・無所属クラブ4人」「市議会公明党3人」「市議会市民クラブ3人」「市民の党3人」「日本共産党武蔵野市議団3人」「むさしの未来2人」「むさしの無所属クラブ2人」「会派に属さない議員1人(みんなの党)」(欠員1)
 このうち、5つは、都議・国会議員を送り出す力のある国政政党の市議団、残りの4つは、市議会のみの地域密着の会派です。

参考3 『むさしの未来』会派結成趣意書全文
私たちは、今を生きる市民と次世代のために、政策実現集団として研究・研鑽・議論をつくし、武蔵野市のまちと市民の暮らしの発展に全力を尽くします。
◎3つの理念
◆ 新時代の武蔵野市の未来の「まちづくり、人のつながり」を目指します。
◆ 市政における政策・事業の組み立ては、「持続可能な視野」に立って取り組みます。
◆ 議論・討論を深めるために、多様な立場、異なる考え方を尊重し合います。
◎3つのスローガン
◆ 公正 ◆ 公平 ◆ 公開
◎4つの目標
◆ だれもが安心して暮らし続けられる福祉と教育・文化のまちづくりに努めます。
◆ 真の市民参加・協働と産業振興のまちづくりを実現します。
◆ 私たちは、市民と共に創る開かれた議会改革に努めます。
◆ 持続可能な都市再生と、環境に配慮したインフラの再整備を実現します。
◎4つの政策
◆ 市民のみなさんと共に、勉強会、研修会、講演会、語る会を開催し、「支えられ感」のある福祉・教育・文化のまちづくりを目指します。
◆ 市民のみなさんと共に、武蔵野の未来を築き、まちの発展・活性化を図るための条件整備を図ります。
◆ 市民のみなさんと共に創る市政を実現するために、「議会活動報告会」「ご要望ご意見ヒアリング会」等、双方向の語る会を開催し、市民にわかりやすく開かれた議会づくりを目指し、二元代表制の一翼である議会の活性化を目指します。
◆ 次世代へのかけはしとして、緑・水循環といった環境保全を重視し、上下水道をはじめとする持続可能な都市基盤整備再編を実現します。
◎3つの視点
◆ 「現場第一主義」─調査なくして政策なし、机上の議論ではなく逸早く現場に赴きます。
◆ 「公平で大局観に立ち課題を見渡す」─対立する双方向の意見を聞き、多様な立場と異なる考え方を尊重します。
◆ 「結果を求める」─必ず一定の前進と具体的な成果を目指します。
◎「会派の中での」3つのルール
◆ 議案に対する認識が共有できるように、多様な意見をたたかわせ、合意形成により一つの結論を導き出すよう、議論を重ねます。なお最終的に賛否の態度が分かれる場合は、それぞれの政治的立場や見解を尊重します。
◆ 討論などの意見表明は、議員固有の権利として認めあい、調整に努めます。
◆ 私たちは、理念に基づき上記の目標を達成するために、協力・協働して政策実現を目指します。
以上
平成23年5月6日
小美濃安弘 西園寺みきこ 深田貴美子 前田秀樹 (あいうえお順)

参考4 むさしの未来の活動
 視察 ・世田谷区こども条例  日本語授業  発達障がい児支援「元気」  ・ふじみ衛生組合 ・多摩在宅支援センター「円」   ・杉並児童相談所

議会報告会  12回 2011年7月~2013年4月

団体ヒアリング 約50回。