久米島の島おこし~海洋深層水~久米島高校魅力化事業

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海洋温度差発電は、表層海水(25~30℃)と600m深層水(年間通じて10℃程度)の温度差を利用し、媒体(代替えフロンの一種、HFC123aというフッ素化合物)の気化と液化を繰り返しタービンを回す仕組みです。

1月27日(金)、沖縄県久米島町を訪ねました。久米島は那覇からプロペラ機で西に約30分。人口約8,000人の島。大田昌秀元知事の出身地であり、沖縄戦では久米島守備隊住民虐殺事件があったところです。

今回の視察は、「島の自治」「島おこし」「久米島高校の魅力化事業」がテーマ。お話を伺った皆さんは、みな明るく元気で目を輝かせ、久米島での未来を力強く語ってくださいました。久米島の地の方も、島外から移住して来られた方も含め、一緒に久米島で伸びていこう!という強い前向きな姿勢が印象的でした。

 

 

 

 

 

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町長の大田治雄さん。「久米島のカタチ、何かに似ていると思いませんか? スヌーピーアイランドって言ってるんです」「先日は青森県に行ってきました。全国の自治体と一緒にがんばっています」と。

那覇市議会糸数昌洋議員(久米島出身)のコーディネートで、まず訪れたのは、地域支援交流学習センター「じんぶん館」。(じんぶんとは、うちなーぐちで知恵のこと)

 

 

 

 

 

 

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久米島高校を廃校にしてはならない。島外からの留学生を町ぐるみで受け入れ。毎年7月に東京と大阪で開催する説明会には、50組の親子が来場する人気です。久米島の姿勢が高く評価されているのです。

島の真ん中に新築されたじんぶん館は、1階が学習塾。予想を超える希望者が来て、進学のための勉強に精を出しています。食堂は寮生の自治の場。ホワイトボードを活用して、「自分たちのルールは自分たちで決める」。「お弁当の割り箸を使わず、マイ箸にしよう」との書き込みには、思わず「その通り!!」

2~3階は島外からの留学生の寮。久米島高校の部活や生徒会のリーダー的存在になり、良い刺激になっている。学習塾の先生役や寮の管理人さんも島外から採用した女性たちで、とても優秀。うまく回っているとのことでした。

 

 

 

 

 

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海ぶどうにとって夏の表層海水は温か過ぎ、間延びした商品価値のないものになってしまう。海洋深層水で冷やすことによって、安定した生産が可能。国内最大規模の事業者さんです。

海洋深層水の活用は、島を挙げての大きな事業。温度差を利用しての「発電」はもちろん、クルマエビ(国内最大規模)や海ぶどうの養殖、葉物野菜の栽培(冷やすために使っているのです)、バクテリアがほとんどいないことを利用したカキの養殖実証事業、コスメティック商品などなど、島が持つ資源を最大限活用するための取り組みが進んでいました。

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オイスターバーを経営する会社などの出資で、「バクテリアのない」「中毒を起こさない」カキの養殖に向けた実証実験が進んでいます。

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温度差発電所の理論を説明いただきました。右下に見えるのは、600m下の海洋深層水をくみ上げるためのパイプの断面見本です。1m約30万円ですが、よほどのことがない限りメンテナンスフリーで長く活用できる見通し。