武蔵境駅北口市有地PPP活用~武蔵境市政センター移設のほんとうの話

2017年4月7日 06時23分 | カテゴリー: 活動報告

細長い600㎡の市有地は、国鉄民営化による土地の精算、グリーンモールの道路整備を経て残った使い勝手が悪い一画。高層ビルにできず、地下も使えない。駅前の一等地というイメージとは違う制約だらけの物件です。

昨年12月議会と3月議会で、「武蔵境駅北口市有地活用~武蔵境市政センター移設」について5件の陳情があり、すべて賛成少数で不採択となりました。審議を通じ「PPPとは何か?」「市民にとって利益になるのか?」という基本的な情報が共有されていないことが明らかになりました。

問1:PPPって何ですか?

答1:PPP(Public-Private Partnership 公民連携)とは、「公と民が連携して公共サービスを行う事業スキーム」のこと。「民間にできることは民間に委ねる」という方針により、民間資金やノウハウを活用して公共サービスの充実を進めていく手法のことです。

問2:武蔵野市で先行事例はありますか?

答2:狭い意味でのPPPは今回が初めて。広い意味ではごみ収集業務の段階的な民間委託(2001~2009年)、新クリーンセンター建設工事でのDBO方式導入(設計・建設・運営・維持管理・改修保全を含め一括して民間に委託する手法)などが、先行事例と言えます。

問3:PPPの優位性は何ですか?

答3:今回の例で言えば、市(外郭団体)が実施する場合に比べ、建設費がゼロで済むこと。景気動向による変動リスクを負わなくてよいこと。単純に民間事業者に任せる場合に比べて、市の負担が30年間で約2.7億円少なくて済むこと。また公務員の発想に限界があるのと異なり、民間の柔軟な発想を生かし時代のニーズをくみ取れることもメリットです。

問4:PPPの欠点は何ですか?

答4:市(外郭団体)が実施する場合と異なり、事業の主体は民間事業者となるので、市(市民)の意向を反映させるために事業者と密に連携し、信頼関係を保つ必要があります。

問5:武蔵野市が、PPPを選択した理由は何ですか?

答5:この土地は国鉄所有であったものを、国鉄民営化の際に自治体に譲りたいとの働きかけがあり1991年に土地開発公社が購入したものです。(当時15.1億円) 市有地となったこの土地は、都市計画線の対象であるため、建築制限(2階まで。地下使用不可)により、現在の民間評価では2.78億円にまで下がってしまいました。民間にとって収益性・魅力に乏しく、PPP公民連携に適した土地なのです。

今回の優先交渉権者から提案のあったイメージ図。緑のゲートとの一体的な外観。災害時に情報が流せるデジタル掲示板を備えた提案です。1階にママカフェとクリニック。2階に市政センターと体操教室。屋上にバーベキュースペース、が大まかな提案内容。「モノ消費からコト消費へ」というコンセプトにより、どこにでもありそうなありきたりの駅前商業ビルではない施設になります。

問6:武蔵境のまちづくりの歴史を振り返ると唐突に出てきた印象がぬぐえません。

答6:武蔵境市政センターは、かねてよりJR高架下に移設する方向で協議を進めてきたのですが、2014年にJR側から延期の申し出があり、移設先を再検討せざるを得なくなりました。その意味では計画変更を余儀なくされたわけですが、移設の必要性は周知のことであり、「北口市有地にPPPの手法を使って武蔵境市政センターを含む施設を作る」ことは、昨年3月の予算審議の中で特段異論なく承認されたものです。

陳情審議の中で、PPP公民連携の「民」を、地域住民のことだと誤解がありました。(この場合の「民」とは資金力企画力ノウハウを持った企業、多くは企業グループのことを指しています)

2階建てという制限がある中で、屋上の有効利用のために提案されてきたバーベキュースペースに対しては、「煙が出る」「酔っ払いがけがをする」と過剰なまでの懸念を主張されていました。大学が多く、留学生も多い武蔵境エリアで、オープンで気軽に交流できるパーティースペースが生まれることは歓迎すべきことと受け止めています。

1階に予定されているママカフェは、今まさに武蔵境エリアで増えている子育て世代にぴったり。休日も開所する見込みの小児科クリニックは、孤立しがちな子育て世代の保護者の皆さんにとって朗報!です。