土の働きと物質循環を子どもたちに伝えるコンポストガーデンについて

緑町市民農園での元気野菜づくり。

 2月22日から開会した、市議会第1回定例会で、西園寺みきこは8回目の一般質問に立ちます。テーマは「土の働きと物質循環を子どもたちに伝えるコンポストガーデンの取り組みなどについて」 登壇は28日(木)午前中の見込みです。市議会はインターネット中継で生で見ることもできます。

市政に関する一般質問通告書

 

2月22日開会の第1回武蔵野市議会定例会で、下記のことを市長・教育長に質問したいから通告する。 

件名 土の働きと物質循環を子どもたちに伝えるコンポストガーデンの取り組み等について    

 肥沃な土壌1グラム中には、数十億の微生物が存在すると言われます。細菌・放線菌・糸状菌・藻類・原生動物など目に見えないこれらの微生物は、いわゆる「分解者」として働き、光合成を行う植物など「生産者」とそれを食べる私たち動物など「消費者」の排せつ物や遺骸を無機物に分解することにより、ぐるぐると循環の輪をまわす生態系の物質循環のカナメとして地球上の生命の営みを黙々と支えています。私たちが生きるためには、食料とする植物ばかりではなく、目に見えない微生物の働きが不可欠なのです。

 武蔵野市の土壌は主に関東ローム層からなり、農業者の方々は腐葉土や金肥を入れて土壌改良の努力を積み重ねてきました。それはすなわち土壌中の微生物をコントロールし、いい土づくりを工夫してきた先人の知恵であると思います。

 都市化が進んだ武蔵野市では、1972 年に市域面積の 33%であった緑被率が2005 年に 24%へ。1961 年に 9.5%であった道路率が2010 年に 15%へ。と土がない・見えない・触れない環境に移り変わってきています。

 今回は、子どもたちに土の働きと物質循環を伝えるために何ができるか?についてと、最近注目されている微小粒子状物質PM2.5について、さらに政策決定の際のパブリックコメントの取り扱いについて質問します。 

1.土の働きと物質循環を子どもたちに伝えるコンポストガーデンの取り組みについて 

(1)    市内の小中学校における、学校農園・菜園の取り組み状況、肥料の使い方について伺います。

(2)    教育課程の中で、土壌微生物の働きについてどのように取り扱われているか、伺います。

(3)    市内の幼稚園・保育園における、農園・菜園の取り組み状況、肥料の使い方について伺います。

(4)    落ち葉を使った腐葉土づくりが、小中学校・幼稚園・保育園でどのように行われているか伺います。

(5)    市民農園・農業ふれあい公園の運営において、また都市農業振興において、「土づくり」の観点がどのように取り入れられているか、伺います。

(6)    2月15日(金)、「生ごみ活かして元気野菜づくり」と題して、NPO長崎県大地といのちの会理事長吉田俊道さんの講演会がありました。吉田さんの講演は、クリーンセンター環境講座や南町コミセンを含め、市内5回目でしたが、15日は芸能劇場が満席。ごみにしてしまえば邪魔者に過ぎない生ごみを活かして、野菜を作り元気になる、ことへの関心が非常に高いことを示しました。

武蔵野市民のごみ問題への関心の高さは、40年前に自前のクリーンセンターを建設するため真剣勝負で共に取り組んで以来、市民と行政が一体となって歩んできたプロセスの賜物です。歴史をあらためて振り返るため、市が行ってきた生ごみ施策の内容と成果、評価を伺います。

(7)    25年度は、ごみ排出実態調査・一般廃棄物処理基本計画の見直し・ごみ市民会議の設置・市民ワークショップの開催が予定されています。生ごみ施策の現状と展望について伺います。

(8)    第五期長期計画の3つのまちづくりの視点には、「市民の意識を行動に変えよう」と明記されています。7つの重点施策には、「新クリーンセンターの建設と周辺まちづくりの推進」「市民とともに、ごみの発生抑制・排出削減に努めながら、新クリーンセンターへの移行を実現する」とあります。ごみ問題への高い関心は、武蔵野市の財産です。学校・幼稚園・保育園や市民農園などをつなぎ、空き地の活用も含めて、生ごみ(一次処理物)を土に返すコンポストガーデンの取り組みを事業化することが必要だと考えますが、見解を伺います。 

2.微小粒子状物質PM2.5について

 注目されているPM2.5とは、大気中に浮遊する2.5μm以下のParticulate Matterのことで、燃焼による煤塵黄砂のような飛散土壌海塩粒子、工場や建設現場で生じる粉塵等などを指します。呼吸器への沈着、特にPM2.5では肺胞まで達することが知られており、慢性気管支炎や肺気腫などの呼吸器疾患を引き起こす可能性が指摘されています。変異原性や発がん性を示唆する動物実験結果もあり、今後慎重に対応していく必要があります。

(1)   武蔵野市で測定しているPM10の測定方法、環境基準、短期的長期的評価の意義、測定結果と適合状況について伺います。

(2)   全国ではPM2.5の測定は誰がどのように実施しているのか伺います。

(3)   武蔵野市ではPM2.5の測定を行っていませんが、今後の見通しを伺います。

(4)   小中学校・幼稚園・保育園で、子どもたちを守るための対応と今後の見通しを伺います。 

3.政策決定の際のパブリックコメントの取り扱いについて

 自治体運営の基本ルールに関する市執行部と議会の懇談が行われています。市執行部から提示された模式図には、住民参加の方法として、「パブリックコメント条例」「住民投票」などが項目として掲げられています。今日は政策決定にあたり重要な市民意見聴取方法の1つである、パブリックコメントの取り扱いの現状と方向性について質問します。

(1)    パブリックコメント制度は、1999年に「国民意見提出手続制度(いわゆるパブリック・コメント手続制度)」の導入が閣議決定され広まったものです。2005年の邑上市長就任時には「徹底した情報公開、情報提供、パブリックコメントの制度化」を明言しておられます。現在、武蔵野市でのパブリックコメント実施状況はどうなっているか、過去10年間の募集テーマ数・応募件数の推移を伺います。

(2)    武蔵野市では、未だパブリックコメント条例など統一ルールは作られていませんが、「どのテーマで」「どのタイミングで」パブコメ募集を実施するかの意思決定は、誰の責任でどのように行われているのか伺います。

(3)    パブリックコメント制度は、利害関係団体や市民意見を聴く機会を保障するのみでなく、その意見への対応を公表することも含めて政策決定の公開性透明性を高めることが最大の目的です。集まった意見への対応の公表は、全てのパブリックコメントに対して行われているのかを伺います。

(4)    パブリックコメントを実施するのは、政策決定の各段階においてどのタイミングが最適と考えておられるか、市長の見解を伺います。

(5)    今後、市政の重要課題である「公共施設の再配置」を進めるにあたり、市の原案をどのようにどのタイミングで公表するのか? 複雑な利害関係の対立の中で、当事者と市民意見をどのように集めて整理するのか? は、市と議会が全力を尽くして向き合っていかなければならない難題です。市民の信頼を土台に、困難な政策決定に当たっていくために、パブリックコメント制度を含めた広報広聴のしくみは今後どうあるべきか市長の見解を伺います。