昨年12月2日〜22日の3週間「白煙実験」が行なわれました。これは、現在建て替えの計画が進んでいる次のクリーンセンター(平成29年稼動開始予定)の中に「白煙防止装置をつけない」ことを前提とした実験です。
1.白煙とは?
白く見えるのは水蒸気。いわゆる「湯気」です。
しかし、現在のクリーンセンター煙突からは、白煙は見えていません。
2.なぜ白煙が見えていないのですか?
「白煙防止装置」が働いているからです。煙突から出る前に再度温め、「110℃の熱気」として排出しています。煙を見えないようにして、焼却工場のイメージを和らげることが、1970年代の建設当時のコンセンサスでした。
3.新しい施設では防止装置をつけなくていいの?
上記のように、「温めなおす」ためにはエネルギーが要ります。そのために経費がかかっていますし、防止装置そのものに1億円ほどかかります。地球温暖化防止と経費節減のために白煙防止装置をやめる検討をしています。
4.そもそも煙突から出る排気ガスは、安全なのでしょうか?
バグフィルターや有害ガス除去装置により、基準値を下回るレベルまで下げてあります。通常の稼動状況であれば、健康被害を避けるのに十分なレベルです。
5.白煙実験は他自治体でも行なわれているのですか?
佐賀県佐賀市で09年1月〜2月にかけて。島根県出雲市で08年12月〜09年2月にかけて。高知県高知市でも検討中とのことです。
武蔵野クリーンセンターは、市役所や住宅地にすぐ隣接している、という点で全国でも珍しい立地にあります。(通常は海沿い川沿い山の中などに焼却施設がある) 都市部では初めての白煙実験ということで、12月末にはNHK朝のニュースでも取り上げられました。
6.アンケートの回答状況
周辺地域の市民に約6,100通のアンケートを送付したところ、12月末現在で約800通の回答がありました。1月15日の締め切りまでに1,000通を越える見通しです。
7.武蔵野・生活者ネットワークは、市民参加のプロセスが不可欠と考えます。
武蔵野クリーンセンターは、建設時から住民参加で作り上げてきた歴史があります。クリーンセンター運営協議会の中で、地域住民と行政が日常的に情報交換を行い、イベントや施設見学を通じて、信頼関係を築き上げてきました。排気ガスのデータ・焼却炉の稼動状況などは24時間常に情報公開されており、いつでも住民の問い合わせに答えるしくみになっています。
武蔵野・生活者ネットワークは、このクリーンセンターの歴史を次世代に伝え、「ごみ処理は都市生活に不可欠の重要施設」「迷惑施設として嫌がるのではなく、共に作り上げる施設に」と位置づけています。
8.武蔵野・生活者ネットワークは、有害物の環境放出を減らし、ごみの減量をさらに進める施策を提案してまいります。
さまざまな装置やフィルターで有害物を除去しているとはいえ、排気ガスの中の異物は全くゼロではありません。水銀など(2010年11月15日の当HP記事参照)法律による規制が不十分なものもあります。また、立派なクリーンセンターを作ったから安心してたくさんごみを出してもいいと考える市民が増えては困ります。
武蔵野・生活者ネットワークは、適正処理困難物(水銀などのいわゆる有害物)の環境放出を減らすための法律改正を提案してまいります。
また、ごみ総量を減らし、ごみ処理経費を削減するための施策を提案してまいります。
9.武蔵野・生活者ネットワークは、新しいクリーンセンターを
「開かれた明るい施設に」
「余熱利用の足湯など、誰でもが親しめる施設に」
「ごみ・環境問題を楽しく学べる啓発機能を」
と提案してまいります。