脱原発派は敗れてはいない! 有権者の意志を示そう! 

東京都は1,300万人が暮らす生活の町です。

 9日に実施された東京都知事選で、無所属の舛添要一さんが当選しました。猪瀬直樹さんの不適切・不誠実な金銭授受による辞任を受け、3.11後3度目の知事選を経験した私たち東京都民は、何を考え何を選択したのでしょうか。

○生活者ネットワークの考え方

 東京・生活者ネットワークは、年末から告示日直前まで、たびたび運営委員会や意見交換会を設けて議論した結果、「自主投票」としました。都議会生活者ネットワークの3人の都議団は、「細川支持」を表明して応援活動。また地域ごとの判断により宇都宮支持で活動したところもあります。武蔵野ネットは運営委員会で議論し「自主判断」としました。

98万票を獲得され、2012年の96万票を上積みしました。投票率が16ポイントも下がった中での上積みは大きな意味があります。

○西園寺みきこの考え方

  今回の知事選は、非常に判断に迷う選挙でした。2012年には宇都宮さんを応援しましたが、今回早々と立候補表明され「歴史的な節目となる今回の知事選で競り勝つために、幅広い支持を得る」気構えがあるのか疑問に感じました。宇都宮さんにはリベラル勢力全体から支持される状況を作ってほしかった。

 細川さんの決断は立派だと感じましたが、年齢・東京都の地域課題への理解、そして小泉さんとのタッグに違和感が拭えませんでした。小泉さんの「ワンイシュー型の訴え」はこりごり・・・。若者や高齢者を苦しめる格差を増大させたのは小泉内閣の政策が原因ですから。

立場の異なる元総理2人が、「脱原発」で手を組んだ、そのことは歴史的に特筆すべきことです。

 

 

 

 

 

 今回、最も感覚が近い、と感じたのは、孫崎享さんの発言でした。「政治家が一本化できないなら、有権者が自ら一本化せよ」「宇都宮陣営と細川陣営は、足の引っ張り合いをせず、各自で支持拡大に全力を挙げよ」「そして投票日ぎりぎりまで状況を見定め、よりよい候補者に一票を投じよ」 問合せにはそのように答え、自分もまたそう行動しました。

○「人を選ぶ選挙」と「政策を選ぶ選挙」

 生活者ネットワークは、2012年冬、原発の是非を問う原発都民投票の実現に向け、多くの受任者の方々とともに署名活動を展開しました。寒空のもと、約3か月間で「法定署名」を約33万人分集めた熱気は忘れることができません。武蔵野市内の井の頭公園付近で街頭呼びかけをすると、家族連れの方々が足を止めて署名に協力してくださった。本当に普通の市民が「原発のこと、何も知らなかった。聞かされてなかった。ちゃんと知ってちゃんと判断したい」と意思表示したのです。

 「東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する都民投票条例案」は石原知事の反対意見がついて都議会に提出、残念ながら41対82で否決され、都民投票は実現しませんでした。しかし、今回の細川・小泉元総理チームが95万票得票したことを見れば「医療福祉もオリンピックももちろん大事だけど、今は『原発』でしょう! 有権者の意志を示したい!」と判断した都民が非常に多かったことは明白です。

○政治家に全面委任しているのではない

 たった一人の知事(あるいは市長)を選ぶ理由は、政策や人柄に加え、マネージメント能力など総合的なものです。有権者の考えすべてを反映させることはそもそも不可能です。舛添さんを選んだからと言って、彼の政策すべてを肯定しているわけではなく、彼の判断にすべてを委ねているわけでもない。

 私たちは、「複数を選び、多様な考え方を政治の場に届ける議員選挙」と「政策そのものを直接選択する住民投票」を組み合わせ、重層的に主権者の声が政治に反映されるかたちをめざすべきです。