小田原市鈴廣かまぼこ本社ビル見学

切妻2棟がつながった落ち着いた雰囲気。創業120年余りの鈴廣さんらしい歴史と風格を感じます。

 NPOむさしの市民エネルギーの視察で、小田原市風祭、鈴廣かまぼこ本社ビルを見学してきました。

 鈴廣かまぼこは創業120年余りの老舗。副社長の鈴木悌介さんは、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表理事や小田原箱根商工会議所会頭を務めるんど、地域から原子力によらない経済を広げている方です。

 鈴木悌介さん。小田原箱根商工会議所。

 昨年2月NPOむさしの市民エネルギー講演会でお話しいただいた際に、「この夏にはゼロエネルギービルとして本社ビルが完成予定です」とお聞きしたため、視察のタイミングを計っていましたが、ようやく実現したものです。

 高断熱

 壁はかなり分厚く、ウレタンとグラスウールの断熱材を使っている。窓はLow-E複層ガラスにしているため、冬の朝方でも19℃近くあって冷え込まない。

 

 

 

 

 

創エネ

 屋上にソーラーパネルを設置。

省エネ

 屋根に採光窓を設置し、3階2階に光を通す。既に持っている井戸水(70m深さ)の約17℃の水を利用し、冷暖房の燃料代を浮かす。小田原市は地下水に恵まれ、揚水制限もない、という地の利を最大限生かしています。

少しでも照明の電気を節約する、ということ。

3階執務室の床は二重になっており、地中熱利用した空調システムの空気が床から出てきます。

 一次エネルギー削減率

 ゼロエネルギーとはいえ、全くゼロにできるわけではありません。竣工から3か月。まだ四季を経験していないので、エネルギー削減効果の評価はこれからなのですが、通常の建物に対しておよそ半分にできて居る見込みであり、補助金含め11年程度で回収できると見込んでいるとのことでした。

 胸を張って働ける職場

 かまぼこの里内には、博物館・体験館・レストランなど半日では見学しきれないほどの施設がありました。私はランチを地産地消「えれんなごっそ」でいただきましたが、そのお食事もかまぼこのバリエーションはもちろん、海山の幸を丁寧に使ったおいしいお食事でした。

 従業員の方々が、「いいことをしている」と誇りを持ち、胸を張って働いているようすも大変好感が持てるものでした。

 「地域資源を十分に活用し、人が幸せになる経営、経済」という、鈴木悌介さんが繰り返し発言されている内容が、あらためて実感されました。

 ブラック企業、過労死、モラルハラスメントなど、働くことが人の幸せにつながらない状況が当たり前のようになって久しい。人は自分と周囲の幸せのために働くのだ、という原則を再度確認しました。