東京都迷惑防止条例改正案の意図は何か?

揮毫された金子兜太さんは2月、98歳で亡くなりました。「権力におもねない」という言葉の意味を、金子さんの生き方から深く学びました。

本日22日に採決、29日に成立が見込まれる、「東京都迷惑防止条例改正案(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例)」に、西園寺は大きな疑問を感じています。

2013年「特定秘密保護法」や2017年「共謀罪」が、平成の治安維持法になりかねない、と国民の大きな反対運動につながったことは記憶に新しい。その後も、今回の森友問題(国有地取引に関する公文書改ざん問題)に至るまで、国民個人の自由を徐々に狭め、権力が恣意的に(ほしいままに)権利を行使する。という現実を繰り返し繰り返し見せられてきました。いつのまにか「それが当たり前」の空気を醸しだしているのではないか? 私たち国民が疑いの目を曇らせているのではないか? 政権は国民が諦めるのを待っているのではないか? と危惧の念が消えません。

今回の東京都迷惑防止条例改正案に対して「何も変わらない」「基本的に乱用されない」(小池都知事の答弁)と言っていますが、わざわざ改正案を出すからには、「今までできなかったことをできるようにしたい」という提案者警視庁側の意図があるのは明らかです。「2020年オリンピックに向けて」との誰にも反対しにくい理由を掲げ、見えないところで不正や不公正が行われているのではないか?(相棒ファンである西園寺の考えすぎでないことを祈ります)

東京・生活者ネットワークは、今回の条例改正案に対して、以下のコメントを公表しました。

***東京・生活者ネットワークは、この条例の問題として次の3点を指摘します***

1.運用者(処罰者)の「解釈」によって処罰する場合と処罰しない場合が、ある意味で任意に振り分けられる仕組みになっているという問題があり、処罰の対象が拡大解釈されるおそれがある。振り分け(処罰すべき行為と処罰してはならない行為の振り分け)が条文には何も無く、処罰する側の自由裁量に任されているということが最大の問題。

2.条例の改正については、既にストーカー規制法で規制されている。

3.なぜ、いま改正しなければならないのか、市民活動、報道などの活動に対して警察の介入を容易にすることが危惧される。