教育長1か月で辞任 小美濃市長の認識の甘さと判断ミス~その2議会は何をしたのか

5月9日臨時会で、立憲民主ネット会派を代表して、市長給料削減条例に賛成の討論を行いました。

小美濃市長が「大ごとにしたくなかった」と軽視した教育長人事。その結果、E氏は3月26日の本会議で全会一致で選任され4月に着任して、武蔵野市の教育行政全般をリードする大きな責任を負うことが決まってしまいました。

議会は代表者会議懇談会を開催した

ハラスメントの加害者として俎上に上がっている方を教育長に選任した、ということは、武蔵野市・武蔵野市議会が「ハラスメント全般に対して緩い自治体である」と公言するようなものです。現在、ハラスメントで苦痛を受けている方々に対してマイナスのメッセージとなってしまいます。一旦選任した議決結果を覆すことはできません。4月に2回、代表者会議懇談会を開催し、小美濃市長、副市長、E教育長本人から説明を聞き、質疑を行い、議会内で協議しました。(代表者会議懇談会:会派代表者が、非公開で協議する場です。不祥事があったとき、事態収拾のために事実を確認共有し、市民への影響を最小限にするため知恵を出し合うのも役割の一つ)

E氏から一身上の都合により辞職願が出た

4月26日、E氏から5月10日付け辞職願が郵送で送られてきました。次の教育長が決まるまでの間、清水健一教育委員が職務代理者を務めることになります。これで子どもたちへの影響を最小限にとどめることができた。傷を深める前に対処できたと考えます。

議決前に議会がチェックできなかったのか

市の人事の中で、「議会の同意」が必須とされるポストは複数あります。(副市長、監査、教育委員、選挙管理委員、農業委員、人権擁護委員、固定資産評価審査委員等) 今回のE氏の人事案に対し、議会が議決前にストップをかけられなかったのか?

⇒ 答えは、「今回のケースではむずかしかった」です。

その理由として、副市長など他の案件では、「市役所の中で」「市内の活動で」長年おつきあいがあり、ほとんどの方が市内に在住。など議員が知人のつてをたどって内々に聞き合わせをするチャンスがあります。実際、市長から議会にある人事の内示があった後、トラブルを抱えておられることが判明し、議案として議会に上程される前にストップをかけて急遽別の方を選んだ事例が過去にありました。(ご本人の名誉と尊厳を傷つけずに事前に防げたわけです)

しかし、今回は教育アドバイザー(非常勤)として武蔵野市にかかわっておられたものの、市内在住でなく、市内学校勤務の経験もない方でした。さらに事件があったのは武蔵野市外であり、事前に情報収集することは事実上不可能だったと考えます。これは会派を問わず共通の認識です。

今後の人事議案に、議会がどうやって責任を持つか

重要な人事に議会が関与するのはなぜか。よりふさわしい方を選び、市政を前進させるためにためらうことなく働いてほしい。全会派が納得できる適任者を提案するため市長と執行部は最大限努力する。(つまり身体検査を行った上で提案する) 議会はそれを鵜呑みにせずできる限りチェックを行う。そのための時間を取った上で、議決に臨む。これが今までのやり方でした。

しかし、今回の経験を踏まえ、選任の進め方がこのままでよいのか、見直す必要性を迫られました。議会への内示を早める。事前に議会が面談を行う。など何らかの工夫が必要です。