武蔵野市のPFASの取り組み~その2 7月27日(土)杉並区でPFAS学習会
4.東京・生活者ネットワーク学習会で、武蔵野市の取り組みを報告します
7月27日(土)13:15~15:15。杉並区立西荻地域区民センターにて。
講師:寺田良一さん(環境社会学・明治大学名誉教授)
発言:大河原まさこ衆議院議員。岩永やすよ都議会議員。
国分寺市、立川市、調布市、武蔵野市、ほか。
5.PFAS汚染と健康への影響は、これからまだまだ広がると考えるべきです
国は6月、全国の水道事業者に対し(東京都も一水道事業者。武蔵野市も一水道事業者です)、これまでの水質検査の結果などを9月末までに回答するよう要請しました。ようやく、ようやく! 遅すぎる!
有機フッ素化合物PFOS・PFOAは、2020年4月以前は「要検討項目」、4月以降「水質管理目標設定項目」に格上げとなりましたが、いずれにしても水道事業者に義務付けられた測定項目ではありません。つまり、測定は任意。「ウチは基地も化学工場もないから関係ない」自治体は、測定していないと思われるのです。
今回の国の要請は「測定しているかしていないか」を集約するところまで。測定値を尋ねているわけではありません。が、全国の状況把握に乗り出したことは遅すぎるとはいえ、一歩前進です。
嘉手納基地からの泡消火剤による汚染に苦しむ沖縄県。ダイキン工業による汚染が根深い淀川周辺。自衛隊基地が汚染源と疑われる岐阜県各務原市。それだけでなく、かつてPFAS除去を行った、汚染活性炭が適切に廃棄されずに、大量に水源上流に放置されたために、今汚染が大問題となっている岡山県吉備中央町。まだまだ汚染の全貌は見えていないのです。
また内閣府食品安全委員会は6月、PFASに関する評価書を公表。「PFOS、PFOAについて、疫学研究で報告された血清ALT値の増加、血清総コレステロール値の増加、出生時体重の低下、ワクチン接種後の抗体応答の低下、との関連は否定できない」「発がん性については、証拠は不十分」としました。
「将来的に(中略)科学的知見が集積してくれば、TDIを見直す根拠となる可能性はある」としており、今後もデータを収集し、検討を継続することを強く求めたいと考えます。
6.武蔵野市の池でも測定を求めます
立川市の上砂公園と大山公園は、大山防災井戸を水源とし、子どもたちが水遊びできる場として親しまれてきました。が、今年2月、大山防災井戸で465ng/㍑が検出されたことを受け、通水を停止。今年の夏は干上がったまま、水遊びができなくなっているそうです。
武蔵野市にも小規模ですが、子どもたちが水遊びできる公園があります。水源との関係を確認の上、測定を行うよう求めていきます。
7.武蔵野市議会3月議会で、国への意見書を可決しました
西園寺みきこは、建設委員の一人として委員会に働きかけ、昨年10月、建設委員会主催全議員対象の勉強会を実現。市水道部に「武蔵野市水道部が、PFASにどのように取り組んできたか」をレクチャー受けました。市内27か所の水道水源井戸の位置と、測定値。これでどの井戸が数値が高いか低いかが全議員に明確になりました。事前に議員から集めた質問に答える形で、全国的な状況、世界の状況、国の動向、健康への影響など説明を受け、共有できました。
今年3月議会では、西園寺が筆頭提案者となり、「有機フッ素化合物汚染対策の強化に関する意見書」を14:10の賛成多数で可決、国に提出しました。要望項目は以下の6点です。
(1) PFASに関する情報を国民にわかりやすく公表すること。
(2) PFAS汚染の原因究明を進めること。
(3) PFAS対策は、国による広域的な対応が不可欠である。水質調査、除去費用に関する財政支援制度を創設すること。
(4) PFASの土壌・農産物等への影響を明らかにし、必要な対策を速やかに実施すること。
(5) 予防原則に基づき、PFASの許容摂取量の検討を継続すること。
(6) PFOA・PFOSだけでなく、PFHxS等類似物質を規制対象に加えるよう検討すること。
農林水産大臣・国土交通大臣・環境大臣宛
なお、武蔵野市の立場から、市長会、水道協会宛に、同様の要望、特に「水質調査、除去費用の財政支援制度」を求めている、とのことです。