最高裁裁判官国民審査の参考資料
衆議院選挙と同時に行われる「最高裁裁判官国民審査」は第26回となります。主権者である国民が、「憲法の趣旨に沿った判決を下しているか?」最高裁のあり方に対して信任不信任を表明する重要な場でありますが、日常生活では、最高裁でどんな判決が下されたか? どの裁判官がどんな判決に関与したか? 賛成したのか反対したのか? 詳細を知ることが難しくなっています。
最高裁裁判官は15名(長官1名と14名)。三権分立の原則により、任命するのは内閣。裁判官出身、弁護士出身、外交官出身などのバランスをとって選ばれるとされています。
今回国民審査の対象となるのは、前回2021年衆議院選挙以降に任命された6名。女性が1人含まれています。(15人中だと3人。ここでも女性の参画が非常に低いことがわかる)
今回、日本民主法律家協会・国民審査プロジェクトチームが作成した参考資料を入手しましたので、ここにアップします。
同性パートナーへの犯罪被害者給付金支給に反対した裁判官がいることや、企業法務専門法律事務所でのキャリアはあるものの、財界や政権に対して毅然たる姿勢を期待できない裁判官がいることがわかります。
裏面には、「沖縄・辺野古新基地建設訴訟」「旧優生保護法国家賠償訴訟」「安保法制違憲訴訟」など、近年注目される判決・決定に対し、各裁判官がどのような態度であったか、何が論点であったかも書かれています。
特に目を引くのは、弁護士出身の裁判官が、第二次安倍政権以降、偏っているとみられることです。それ以前の「複数の弁護士会」「地方の弁護士会」からバランスを考慮して選ぶ慣例が失われたことがはっきり読み取れます。こんなところにも安倍政権長期化のひとつの要因がある。内閣法制局長など自分に都合のいい人事を濫用した安倍晋三というリーダーの正体をあらためてみた思いです。
私は20歳成人して以来、棄権は1度きり。他のすべての選挙で投票してきました。最高裁裁判官国民審査は、大学時代の先輩に「特に情報ないときは全部✕と書くのがいい」と教わり、それ以来ずっとそうしてきました。主権者としての本来のあり方とは少しずれているかもしれませんが、特段の情報が得られず、公平な情報であるかどうかを見極める術が乏しい現状では、それも一つの処世術だったかもしれません。
今回のプロジェクトチームの判断をうのみにするのではなく、自分なりに読み解いて6人の裁判官への信任不信任を判断するのがよいと感じました。(結局私は、期日前投票で、全員✕という今までと同様の審査をしたのでしたが)