子どもの視点で考えれば、記載欄は不要!
3月に出された「婚外子差別撤廃のための戸籍法改正の意見書を求めることに関する陳情」が、今日18日の総務委員会で西園寺を含む賛成多数で採択されました。
昨年9月4日、最高裁は「婚外子の相続分を婚内子の相続分の2分の1とする民法の規定」を憲法違反と決定しました。この規定(民法第900条の第4号但し書き前段)は既に改正済みであり、実務上も不要であるにもかかわらず、与党の合意が得られず、戸籍法改正案提出が見送られた、という経緯があります。
質疑の中で
前回5月15日の総務委員会質疑では、「今や婚姻カップルの4分の1が、どちらかまたは両方が再婚であり、戸籍上嫡出かどうかを問う意義が失われている」「平成16年に続柄記載方法が変更され、その時点で200~300万人の婚外子がいたと推定されるが、広報がほとんどなされていないこともあり、記載の変更(戸籍の更生)を求めた人は3万人に過ぎない」「しかも二重線が残っていて事実上婚外子であることがわかってしまう。戸籍の再製を行えば記載が見えなくなるが、法務局への届け出を要する」などが、明らかになりました。
今日の総務委員会で、「陳情の主旨(記載欄と続柄欄を廃止する戸籍法の改正を求める意見書を国に出すこと)が実現した場合、当事者にとってどんな不利益が予想されるか?」と質したところ、「特段の不利益はない」との答弁でした。
婚外子差別撤廃に関して、日本政府は、1993年、1998年、2001年、2003年、2004年、2008年、2009年、2010年、2013年、と、10度にわたって国連の各委員会から懸念と勧告を受けています。(自由権規約委員会、子どもの権利委員会、社会権規約委員会、女性差別撤廃委員会) 90年代以降、積極的に差別撤廃に動いたドイツやフランスでは、出生に占める婚外子の割合が3~5割に達していますが、それで家族制度が崩壊しているとは聞きません。(日本と韓国は2%程度)
生まれてくる子どもは、両親を選べません。婚姻内か婚姻外か、大人の都合によって一生ついてまわる戸籍の上で差別がある、という現在の法制度は、1日も早く解消すべきです。