婚外子差別撤廃のための戸籍法改正に関する意見書、賛成多数で可決!
6月26日の市議会最終日、総務委員会での審議を受け、採決が行われました。その結果、賛成多数により陳情は採択されました。
賛成17(民主生活者ネット4、共産党3、市民の党3、公明党3、むさしの無所属クラブ3、内山議員1)、反対5(自民民主クラブ3、市民クラブ2)。
西園寺は、会派を代表して賛成討論を行いました。国連から度重なる勧告と指摘を受けながら、未だに残る「嫡出でない子」の概念は、一刻も早く解消すべきです。
6月27日、東京新聞記事。陳情の文面、意見書本文は、それぞれこちらから。
西園寺の討論は以下の通り。
民主生活者ネットを代表し、陳受26第1号「婚外子差別撤廃のための戸籍法改正の意見書の提出を求めることに関する陳情」に対し、賛成の討論を行います。
「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効しました。日本は1994年に批准しています。
子どもの権利条約には「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」の4つの柱があります。その2番目「あらゆる種類の差別や虐待、搾取から守られる権利」の理念に照らし、出生後すぐに本人の意思と無関係に大人の都合で「嫡出子」か「嫡出でない子」か分けられてしまう状況は、1日も早く解消しなければなりません。
昨年9月、最高裁大法廷において、婚外子の相続分を婚内子の2分の1とする民法の規定は憲法違反との判決が出ました。これを受け、12月の国会で民法改正が可決成立しています。もはや新たに生まれてくる赤ん坊に「嫡出子か嫡出でない子か」を問う必要は全くないのです。
一刻も早く戸籍法を改正し、嫡出を問う記載欄をなくすべきです。さらに、戦後の民法改正で「嫁」「本家」という用語がなくなっていったのと同様に、法律や公文書の中に存在する「嫡出でない子」という用語と概念そのものを撤廃すべきです。
今回の審議の中で、武蔵野市の窓口での戸籍の更生と再製について、丁寧に説明を行っていることが明らかになり、この対応は他自治体の模範になると評価します。一方、出生届けの記載欄への記入説明に関しては、改善の余地があります。法定受託事務であるため、武蔵野市独自の柔軟な対応は現状ではむずかしいとの答弁でしたが、「新たに生まれてくる赤ん坊に嫡出かどうかを問う必要」が全くなくなった現状に即し、市民課課長会などしかるべき場に提言を挙げて、1日も早く婚外子差別のない状態を実現していただきたいと要望します。
子どもは生まれてくる環境を選ぶことができません。両親の状況のいかんにかかわらず、生まれた子どもが差別されることなく、健やかに育ち、その子の能力をのびのびと発揮できる社会を実現することが、子どもの権利条約の理念であり、日本国憲法の理念であり、私たちが目指すべき社会の姿です。「子どもの最善の利益」を最優先した施策があらゆる場面で実現することを望み、賛成の討論とします。