5月23日 むさしの地区外環問題協議会の方々と市議会の懇談会がありました

大泉JCTから東名JCTまで、延長16.2㎞に1.2兆円。単純計算で1mに7,400億円!

 5月23日(金)、武蔵野市議会外環道路特別委員会の後、市議会とむさしの地区外環問題協議会の皆さんとの懇談会が開催され、約1時間にわたって意見交換がありました。

 外環道路は、昭和41年に都市計画決定されました。何と48年前! 東京オリンピックの2年後です。高架と側道を作る計画ですが、30年以上凍結され、幻の道路と思われていました。

 ところが、平成19年突然「大深度地下方式」に計画変更。計画地に住む方々は「立ち退かなくてよい」「安心して住み続けられる」と喜んでおられたのです。ところがところが…。

 本線の地下化と同時に不要となったはずの側道が「外環の2」としてゾンビのように復活。途中経過はここでは述べませんが、3.11後、国土強靭化や防火帯機能(首をかしげることばかりなのですが)を強調し、「やっぱり道路を作る」となりそうなのです。

 武蔵野市議会は、当初から「外環反対特別委員会(現在は外環道路特別委員会)」を設置し、市民生活を優先する視点でこの問題に取り組んできました。市民の方々も長期間にわたり、真摯な活動を継続してこられました。「むさしの地区外環問題協議会」は、賛成反対の立場にこだわらず、吉祥寺南町コミセン・東町コミセン・本宿コミセンの東部地区3コミセンのネットワーク事業として、正しい情報を市民と共有する活動を展開してこられた皆さんです。

 きょうの懇談会では、4月に開催された説明会が、当事者にほとんど伝わっていない(!)現状や、建物への被害のために「家屋調査を行う」としているが詳細がわからない、そもそも大深度に変更して地上部の住民に迷惑がかかりませんと言っていたのに、話が違う!など、長い間ぬぐえずにいる国交省や東京都への不信が次々に訴えられました。

 私は、外環本線が必要不可欠の道路だと思いません。きょうの意見交換会でも発言があったように「人口減少、車離れ」の時代に、もはや1メートル1億円近くかかる道路を増やす必要はないと考えます。武蔵野市で言えば、既存の女子大通り(歩道が狭くて歩きにくい、ずっと懸案)や吉祥寺通りの拡幅こそが住民の念願なのです。

 外環の2(もともとの側道)は、まして必要ありません。本線は地下化したけど、側道だけはやっぱり作ります、なんてあまりにも非論理的なコドモダマシのような言い分で、地域を分断され立ち退きを迫られるなんて、ありえな~い!話です。

 18回続いている「外環の2 話し合いの会」を可能な限り傍聴していますが、その実情たるや!  住民側が一貫して要望している、環境・地下水・騒音・大気汚染・交通量の変化などの明確なデータが出てこないまま、担当者が異動し、すれ違い肩すかし言い逃れとしか言えないような不愉快なやりとりばかりで時間を空費している状態。辛抱強く進行役を務めておられる方々や委員の皆さんのご苦労に涙が出る思いです。

 武蔵野市にとってほとんど利益がなく、悪影響ばかりが懸念される外環道路と外環の2。状況の好転はむずかしいようですが、民主主義国家に住む私たちの声が押しつぶされる社会であってはなりません。