議長ほか議会内人事が決まりました~結果とプロセス
5月19~22日に開催された武蔵野市議会臨時会で、議長をはじめとした議会内人事が決まりました。また専決処分2件の議決もありました。
議長:深澤達也さん(民主党7期目、会派は民主生活者ネット)
副議長:小美濃安弘さん(無所属4期目、会派は自由民主・市民クラブ)
議会選出監査委員:橋本しげきさん(共産党3期目、会派は日本共産党武蔵野市議団)
以上を通例「三役」と呼んでいます。
議会運営委員長:落合勝利さん(公明党3期目、会派は市議会公明党)
副委員長:山本ひとみさん(無所属5期目、会派は空)
正副議長と議運正副委員長を通例「四役」と呼んでおり、議会日程や年間100本を超える議案への対応などは、この四役が議会事務局と相談しながら原案を作っていくケースがほとんど。非常に重要な役割です。
以上が「結果」です。ここからは「プロセス」の話です。
改選が済んで、「さあ、これから議会をどうやって運営していこうか?」 本来、ベテラン議員も新人議員も全く同列横並びの状態にあり、お互いの力量や主義主張がよくわからない中で、「誰が」「どうやって」話し合いを仕切っていくか? 限られた時間をどう使うか? 現在は何もルールがありません。
地方自治法107条「(前略)議長の職務を行う者がないときは、年長の議員が臨時に議長の職務を行う。」(これは議長選出の場合)、武蔵野市議会委員会条例6条「(前略)年長の委員が委員長の職務を行う。」(これは委員長選出の場合)とありますので、年長議員が話し合いを仕切る形式になっています。年長者の知恵を尊重し、若年者は従うことをよしとしてきた、今までの日本人の「経験則に基づいた」ルールだったのでしょう。
しかし、これは形式上のこと。実際には、「重鎮」と言われる実力者議員が新人を含む全体に目配りしつつ原案を作り、会派間のパワーバランスの中で駆け引きし、調整しつつ、円満な合意を取り付ける。市民にはプロセスは見えず、結果だけが知らされる。というやり方が続いてきたように思います。実際、4年前新人議員だった西園寺自身も、会派室で会派代表から交渉の進捗状況を聞き、意見を述べるだけ。他の議員が何を言っているのかわからない状況でした。26人の議員全員が参加できる場で話し合いが進む、ということはなかったのです。
さらに、このような「市民に見えない水面下で決まっていく」プロセスのあり方に異議を唱える少数派の議員が、会派間調整の場から外されてきた、という過去の経緯も見逃してはなりません。
今回、全議員が見守る「会派代表者懇談会」の場がメインの場となったことが大きな前進です。
各会派代表者(西園寺も一員)10名による話し合いをリードしたのは、数では第2会派である「民主生活者ネット」の川名ゆうじ議員でした。数で第1会派である「自由民主・市民クラブ」代表、第3会派である「空」、3人ずつの公明党・共産党、2人の志民会議、1人ずつ2人いる会派に属さない議員。すべてに情報を流し、「まず、10人の代表者による懇談会の場をつくる」というところからスタートしました。
「大会派の意向」「小会派の意向」「会派に属さない議員の意向」すべてに目配りし、ヒアリングを重ねたり、少人数での交渉の場を設けたり。ルールのない中で、「聞いていない」「知らない」「排除された」という声が上がらないように、息つく間もないほど議会フロアの中を歩きました。
3日間を振り返ってみれば「26人全議員が見守る場である『代表者懇談会』」と、「大会派間の交渉」、「全ての会派との交渉」を断続的に繰り返し、強い口調での糾弾や反論を経て、冒頭に書いたような人事が決まったわけで、文章にすればたった5行のために、まる3日間かけて合意形成の努力を重ねた。。。これが今回の動き方だったといえます。
今期は、「議会基本条例の制定」が大きな目標になっています。議会が自分たちのことを自分たちで決める、そのルールがまだ不十分であること、実際には手をあげた議員が無欲の境地で汗をかかないと何も動かせないことが、今回の人事選出にかかわった西園寺の立場からはっきりわかりました。今回の経験を踏まえて、議長選出をはじめとした「議会内でのルールづくり」をしっかりと定めていく必要があります。それは単に手続きではなく、本来いかにあるべきか?という原点の議論を踏まえた「理念」であるべきとも感じます。議員間、会派間の議論を深め、議会をより一層透明で風通しのよい場にする! 中学生にもわかる議会を! を前進させていきます。
お詫びと訂正
5月20日発信のツイッター・フェイスブックで、「深澤達也議員は第43代議長。保守系でない議長は武蔵野市議会で初めて」と書きましたが、間違っていました。お詫びして訂正します。
武蔵野市議会議長は、第1代松原福蔵さん(昭和22年11月~24年10月)から、第43代深澤達也さん(平成27年5月~29年4月の予定)まで、43代36人いらっしゃいます。1人で2~3期務めた方も6人。
このうち、所属政党が「自民、無所属」以外の方が、8人いらっしゃいました。第19代高橋震治さん:社会党(昭和42年5月~44年6月)から、第32代竹田たかしさん:公明党(平成5年6月~7年4月)まで、社会党6人、公明党2人です。(すべて当選時の所属。任期中に所属に変化があったかどうかは調査しきれませんでした)
最近の20年間10人の内訳をみると、34代石井一徳さんから43代深澤達也さんまで、無所属7人、自民党2人、民主党1人となっていました。十分に正確な情報を得ないまま、ツイートしてしまったことを深くお詫びします。