邑上市政12年のあゆみ~邑上さんの本当にすごいところ

8月14日(月)、次期市長選に不出馬を表明された邑上守正さん。メディアでは「健康上の問題?」「不祥事?」「国政に鞍替え?」などと取りざたされましたが、(西園寺もメディアからの取材を受けました)そのいずれでもありません。

邑上さんのお人柄

邑上さんは、文字通り「公平・公正」「フェア」なお人柄そのまま、敵味方をつくらず、常に市民全体の利益を考えて判断する方。自らの政治生命延命や求心力保持のために、市政を私物化しないお人柄なのです。全国に市町村の首長は2,000名近くおられると思いますが、邑上さんほど公平公正なリーダーは、おそらく2人といない。西園寺はそう確信しています。

着任された頃

6期23年在任した前市長のワンマンな市政運営を受けて着任されたのは2005年10月。その時の高揚感や感動を、西園寺は今でも忘れることができません。「これから新しい時代が始まる」「市民が主役の市政に変えていくんだ」手を挙げた邑上さんのもとに多くの市民の方が集結し、武蔵野市の次の時代を作っていこう!という希望にあふれていました。

生活者ネットの要望実現できた

施策においては、生活者ネットワークが要望してきた案件を数多く実現することができました。スクールソーシャルワーカーの配置、気になる子どもたちへの配慮、男女共同参画センターの設置、男女平等推進条例の制定、LGBT(性的マイノリティ)への行政上の配慮、子宮頸がんワクチン副反応被害者への支援、若者サポート事業の開始、ごみ収集頻度の見直し、など枚挙にいとまがありません。

必要なことを着実に

テンミリオンハウスの増設、雨水利活用条例の制定、などはもちろん、原発事故後の放射線対策(給食食材のまるごと測定のための機器購入も)、被災地支援も忘れることができません。お正月休暇に福島県浜通りの原発事故汚染地をプライベートで訪れてくれる首長さんなんて、他におられるでしょうか? 西園寺はいないと思う。

派手さはないけど必要不可欠な都市インフラの整備

震災前に学校校舎の耐震化をすべて完了していたため、3.11にけが人が出なかった(市庁舎7階の本会議場のシャンデリアが落下したり、総合体育館の釣り天井が落下したぐらい)ことは、特記すべきことです。駅前の駐輪場問題を抜本的に解決。クリーンセンターの建て替えを10年がかりで着実に成功させた。都市型水害対策としての雨水貯留槽を計画的に整備しました。

脱原発と平和に関する明確なスタンス

さらには、脱原発首長会議への参加。(都内で3人のみ) 平和の日条例の制定。など明確な意思表明を貫かれたことも、心から誇りに感じています。

なぜ辞めるの?

こうして、邑上さんがリードしてきてくださった12年間を振り返ると、「邑上さんはなぜ辞めるの?」という疑問の声が出てくるのは当然だと思います。しかし、「そこが邑上さんの本当にすごいところなんです」と西園寺は強調したい。

邑上さんは「権力の座にしがみつく」などという言葉とは対極にある方であり、次の時代に向けてバトンを渡す時期や状況を冷静沈着に見据えておられました。(生活者ネットワークの「交代制」の理念とは直接関係ありませんが)選挙で選ばれるリーダーがへとへとになったり市民からの批判が高まったりして市政が停滞するこがあってはならない。そんなことにならないうちに余力を残して、どのタイミングであっても次世代にしっかりとバトンを渡せるように、常日頃から緊張感をもって市長の責務をこなしておられたのだと推察します。これこそ真の民主主義の姿であり、「市民が主役」を最後の最後まで貫いた邑上さんならではの見事な身の処し方ではないでしょうか?

今後のご活躍に期待

邑上さんは、記者会見で「体力気力は充分なので、社会に役立ちたい」と述べておられます。ぜひ武蔵野のまちづくりに、あるいは東京のくらしをもっともっと明るく平和なものにするよう、ご活躍いただきたいと心からお願いします。

まずは、任期を全うしていただかなくてはなりません。明日発生するかもしれない大震災の対応を含め、市長さんの責務は本当に重くて気が緩む暇もない、大大激務なのですから。邑上市長、10月8日までよろしくお願いします!!