12月議会で採択された陳情の趣旨を受け、再生エネルギーの推進のために私たちができることとエネルギー自治の観点から一般質問を行います。登壇は8番目。29日午前中の見込みです。
市民活動推進の要となる、「コーディネーター・ファシリテーターの役割」についても質問します。
武蔵野市議会 議長 きくち太郎 殿
提出者 6番 西園寺みきこ
市政に関する一般質問通告書
件名 安心して使える再生可能エネルギーを市民のものにする取り組み等
昨年12月議会で、「原子力発電に依存しないエネルギー政策の確立を求める意見書」が可決され、武蔵野市議会は、国に対し、「省エネルギー施策の推進」「再生可能な自然エネルギーの研究・開発、拡充の推進」「原子力発電所の新増設はやめ、既存の原子力発電所の原子炉をゼロにする期限を決めた計画表を作成する」ことを要請しました。再生可能な自然エネルギーへの政策転換と同時に、低エネルギー社会への移行のために、私たち市民、企業等も一層の努力が必要だと書きました。
また、陳情審議の討論の中で私は「市議会がなすべきことはこれからが始まり。原子力がなくても安心して暮らせる社会、つまり再生可能エネルギー促進に向けて現実的に何をすべきか、市議会は責任を持って話し合うべき」と述べました。
エネルギーシフトとエネルギー自治を目指し、今、私たちに取り組めることは何か?との観点で、質問します。
1.原子力発電に依存しない再生可能エネルギーの導入と市民へのPRについて
(1)第三期環境基本計画の見直し作業の進捗状況をうかがいます。
(2)公共施設で使う電力をPPS事業者から購入することについての進捗状況を伺います。
(3)スマートメーターは、市民一人一人が電力消費を時間単位で把握でき、省エネや電力の選択など市民の主体的な行動につながります。これからの社会に欠かせない道具になると考えます。このスマートメーターを一般家庭で使用する実証実験が、武蔵野市内で行われていると聞きましたが、その内容を伺います。
(4)小学校全校と中学校の一部に、太陽光パネルの設置が完了しています。昨年以来の節電・再生可能エネルギー促進の社会的状況の中で、太陽光パネルが学校現場でどのように活かされたか、また児童生徒や教職員の皆さんの受けとめ方に変化があったか、伺います。
(5)昨夏、小中学校全校にエアコン設置が実現しました。この夏の活用にあたり、太陽光発電による供給量と消費量との関係を児童生徒に見えやすい形で提供していくことは、エネルギー教育として有意義であると考えます。エコメーターの設置や、発電量グラフの掲示などを行う予定があるか伺います。
(6)エネルギーの専門家を招き、市民と行政が共に学び、環境フェスタなどの場を活用しながら、エネルギーシフトのPRを強化していくことの可能性を伺います。
(7)ドイツにおけるエネルギーシフトをテーマにした映画「第4の革命」が、各地で上映されています。市民団体と協力して、市内で上映会を行うことの可能性について伺います。
2.エネルギー自治について
(1)吉祥寺南町コミセンでは、市民の募金活動をきっかけとして、太陽光パネルを設置しました。市民の積極的な行動を支援することについて、今後の展望を伺います。
(2)生活クラブ・東京では、埼玉、千葉、神奈川の生活クラブと一緒に、秋田県にかほ市に出力2,000kWの風車を建てました。2009年に計画を立て、今年4月に稼動開始となります。発電した電気は、グリーン電力証書を購入する、という形で、本部や配送センター13か所で使われます。これらの施設では、不足分の電力をPPS事業者から購入することも決まっていますので、4月以降「東電フリー」の状態になることになります。
エネルギーの地産地消がなかなか難しい都市生活の中で、「自分たちが使うエネルギーを、主体的に選ぶ」ことの重要性が増してきています。武蔵野市におけるグリーン電力証書購入の実績と現状について伺います。
(3)先日訪問した南砺市では、豊富な水源を活用した小規模水力発電により、エネルギーの地産地消を目指すため、市民と共同のシンポジウムが開催されていると聞きました。友好都市の皆さんが、その土地の特徴を活かした再生可能エネルギーを模索されている中で、武蔵野市民がその取り組みに賛同し、支援あるいは投資していく、という連携方法がありうると考えます。9つの友好都市での再生可能エネルギー導入の取り組みについて、情報収集をされているか伺います。
(4)再生可能エネルギー導入に対する友好都市の取り組みを、武蔵野市民にPRし、支援あるいは投資していくしくみをつくる可能性について伺います。
3.コーディネーター・ファシリテーターの役割について
(1)先日、健康福祉総合計画の策定が終わり、「地域福祉コーディネーター」の配置が明記されました。一方、福祉の現場はもちろん、市民活動支援や教育指導、市内のさまざまな場所に正式な肩書きとは関係なく、「コーディネーター」「ファシリテーター」として、市民を助け励ます役割を果たしてくださっている方々が多数おられます。現在、市役所や関連団体(社福や武蔵野プレイスなどを含む)の中に、「コーディネーター」「ファシリテーター」と正式に位置づけられている方は何人おられるか、それはどの部署であるか、伺います。
(2)正式に位置づけられている方、そうでなく既存の肩書きであるが事実上コーディネーター役ファシリテーター役を果たしてくださっている方、両方おられます。その方たちに共通している特徴とは何か、またその方たちがその能力を身につけるに至ったのはどのような環境下であったか、見解を伺います。
(3)これから目指すべきはネットワーク型の社会だと考えます。その要々を担うのがコーディネーター・ファシリテーターという機能であり、人です。外部からキャリアを持つ方を招く方法、市役所内で養成する方法、意欲を持つ市民に連続講座などを通じて学んでもらう方法、さまざまな方法が考えられますが、今後、武蔵野市ではどのような展望を持って取り組むのか、伺います。
(4)コーディネーター・ファシリテーター機能を担う方は、とにかく人に会うことが重要な仕事であると思います。市内・市外を問わず、より多くの現場に出て、市民の声に耳を傾け、要望の芽を拾い、人と人をつなげて励ます。小さな活動をより大きな動きに育てる。そのための自由な活動が保障されるべきだと考えますが、見解を伺います。