PFAS住民血液検査にご協力お願いします

791人の中に、武蔵野市民23人(西園寺含む)が入っています。

西園寺みきこと生活者ネットワークは、有機フッ素化合物PFASによる地下水汚染、水道水への影響に注目し、命にかかわる水道水の水源井戸の測定や、ふだんは飲まない災害時井戸への対策、民間井戸の測定などを要望し、実現してきました。

この間、自分たちの体内にどのぐらい蓄積しているのか? 多摩地域で住民血液検査が行われており、西園寺も一住民として参加しました。その結果は下記参照。

このたび、武蔵野市と同様、独自水道を経営している昭島市民の皆さんからの呼びかけを受け、

武蔵野市水道水を飲んでおられる方で住民血液検査に協力してくださる方を募ります

PFASは、「永遠の化学物質」と呼ばれ、自然界ではほとんど分解されません。飲み水、食べ物などを通じ、体内に蓄積し、わずかずつ排出はされますが、分解はきわめて遅い。胎児・乳幼児の低体重、成人での甲状腺疾患、高コレステロール血症、肝障害、腎臓がん、などへの影響が強く疑われています。

関心のある方、血液検査に協力したい方、詳しく話を聞いてみたい方は、以下の方法でご連絡ください。

① 下記QRコードから、専用フォームに入り、連絡方法を入力する。

② 武蔵野・生活者ネットワークメールアドレス musashino@seikatsusha.net に「PFAS住民血液検査に関心あります」と送る。西園寺 mikikosaionji@gmail.com でもかまいません。

③ 武蔵野・生活者ネットワーク電話 0422-36-3767に留守電メッセージを残す。西園寺 090-6015-8706 でもかまいません。

いずれの場合も、2日以内に必ず折り返しご連絡させていただきます。

協力者が一堂に会することはありません。参加したかどうかを含め、個人情報は一切秘密厳守。検査結果はご本人のみに通知され、知らなくていいから通知不要、の選択も可能です。一方、メディアインタビューに答えてもよい、など積極的にご協力いただける方がおられればそれはもちろん大歓迎です。

【詳細は調整中】今年7月頃、市内クリニックにて採血。自己負担は少しあります。(PFAS検査は、現在1検体2~3万円かかります) 詳細は、お問い合わせくださった方にお知らせします。

西園寺は2022年12月に採血し、以下の結果でした

 PFOS+PFOA 合計 13.1ng/㍑ (PFOS 8.4 PFOA 4.7)

PFHxS 6.1ng/㍑   PFNA 3.3ng/㍑

PFOS:ペルフルオロオクタンスルホン酸  PFOA:ペルフルオロオクタン酸

  PFHxS:ペルフルオロヘキサンスルホン酸  PFNA:ペルフルオロノナン酸

なお、有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼んでいます。上記4種類を含め1万種類以上あるとされます。

基準値はあるのか? わが国にはない

わが国には血中濃度に関する基準はありません。米国CDC(Centers for Disease Control (and Prevention) :疾病対策(予防)センター:アメリカ合衆国の感染症対策の司令塔)、

及び米国ATSDR(Agency for Toxic Substances and Disease Registry:有害物質・疾病登録局:有害化学物質による健康影響に関する知識基盤の拡充などを目的として、ATSDRが作成する有害性の評価書も指す)、

の2機関が2022年7月刊行したガイダンスによれば、

2ng/㎖未満:健康影響はない。

2~20ng/㎖未満:感受性の高い集団(妊婦など)では悪影響の可能性。

20ng/㎖以上:脂質代謝異常の検査、甲状腺ホルモンの検査、腎がんの徴候や症状の確認、精巣がんや潰瘍性大腸炎の症状の評価を勧める。

としています。出典はこちら。厚労省HP 食品安全委員会PFASワーキンググループ評価 2024年2月 204~212ページ参照。

このガイドライン値と比べると、西園寺2022年12月時点でのPFAS血中濃度は、「健康影響があるかもしれない。念のため検査は定期的に行っておくことが勧奨される」と解釈できます。私は毎年職場での定期健診で肝機能や脂質代謝、腎機能の項目をクリアしており、今すぐ健康被害を訴えるレベルにはありません。

なお、採血前の問診票で「持病の有無」「浄水器を使っているか、飲み水を購入しているか」「居住歴」「出産歴」「家庭菜園の野菜を食べているか」などの質問に答え、将来の分析に備えるデータとしてあります。

多摩地域や武蔵野市民の血中濃度はどうなのか?

西園寺の血中濃度は今すぐ対策を要するレベルではありません。しかし、若い世代、子どもたち、妊娠出産年齢の方々が、「20ng/㎖超え」だとすると放置はできません。対策が必要です。もちろんご高齢の方であっても脂質代謝、腎機能などに持病がある方にとっては、何らかの対策を要します。

冒頭に掲げたデータは、多摩地域の住民791人(西園寺含む)の結果を抜粋したもの。(2023年9月発表。検査と分析にあたった京都大学原田准教授による)

このデータをみると、多摩全域791人中、4PFAS合計が20ng/㎖を超えた方は、365人。46.1%となっています。(この中に西園寺も含まれています) 平均年齢約67歳。とご高齢の方が多いということを割り引いても、決して安心できる状況ではありません。国分寺市では9割以上の方が20ng/㎖超え! これは看過できない!

環境省が全国で2021年に実施した119名の調査では、4PFAS合計の平均が8.7ng/㎖であったこと。米軍基地からの泡消火剤流出が大問題となった沖縄県での住民血液検査結果と比べても決して低くない結果です。

791人の中には、西園寺含む武蔵野市民が23人が入っていますが、その中にも40ng/㎖超えの方がいらっしゃったようです。(個人情報は一切伏せられております)

原因は泡消火剤か

PFOSとPFOAの比率を調べると、汚染源がある程度特定できることがわかってきています。

PFOSは、泡消火剤が主な用途。PFOAは、半導体工場、撥水財などが主な用途。

西園寺の血中濃度はPFOSが高めです。多摩地域の方々もその傾向があります。

泡消火剤が汚染源ではないとみられる、大阪府摂津市や岡山県吉備中央町では、PFOAの方が多い。という事実を考えると、多摩地域のPFAS汚染は、主に泡消火剤、米軍基地からの流出、という仮説が成り立つと考えています。

西園寺HP、過去の記事

2020年1月9日 多摩の地下水から高濃度有害物質 武蔵野の水は? 横田基地が汚染源か?

多摩の地下水から高濃度有害物質 武蔵野の水は? 横田基地が汚染源か?

2024年7月15日 武蔵野市のPFASの取り組み~その1 災害用井戸に浄水器が設置されました

武蔵野市のPFASの取り組み~その1 災害用井戸に浄水器が設置されました

2024年7月15日 武蔵野市のPFASの取り組み~その2 7月27日(土)杉並区でPFAS学習会

武蔵野市のPFASの取り組み~その2 7月27日(土)杉並区でPFAS学習会

2025年5月12日 武蔵野市のPFASの取り組み~その3専門家の科学的広域的な分析を求める

武蔵野市のPFASの取り組み~その3専門家の科学的広域的な分析を求める